上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
コミュニティ検索 »
近年、議員定数の削減が叫ばれることが多い。特に日本維新の会が議員定数半減を掲げたことにより、最近目にかかることも増えた。
しかしながら議員定数を削減することは民主政として自滅行為であり、貴族政につながるものだ。
私個人は貴族政によさを感じているが、国が民主主義を標榜とし、民衆の意見を反映することを重要とするのであれば、本来議員定数は増やすべきなのである。

以下の要点に分けて、その理由を説明する。
1.議員の意味
2.議員定数と選挙の影響
3.議員定数と意見代弁者の関係
4.議会の人材備蓄機能
5.議員定数と権力掌握
6.議員定数の比較と変遷
7.まとめ
1.議員の意味
そもそも議員とは何のために存在するのかと言う問題である。
国会議員は代議士とも呼ばれ、それは議会に私達に代わって参加する士であり、国民の政治代理人であり、国民の意見の代表者である。
これは国会議員でも市議会議員でも同じであり、有権者の代表であることには代わりがない。
近年において、この代議士が国民の意見を尊重していないと言う批判に晒されることも多いが、ならばこそ議員の数は増やさなくてはいけないのである。
その理由も含めて次以降の項にて説明する。

2.議員定数と選挙の影響
議員定数が減ると言うことは、一つの選挙において当選できるハードルがあがると言うことである。
逆に議員定数が増えればハードルが下がると言える。
選挙のハードルがあがれば、議員にとって選挙は労力や資金のかかるものなり、より選挙に対してかける比重が大きくなる
今でさえ、議員や政党の選挙向けのアピールと言える立法やマニフェストは批判の元である。
選挙のハードルがあがれば、その傾向も加速されると考えられる。それは望むところであるのか。

また選挙のハードルがあがると言うことは、今までより一般的な人々の当選がありえないものとなる。
資金や権力、または知名度の高い存在しか議員となれないと言う結果をもたらす。
それは民主主義なのであろうか。より貴族政に近いと言えるのではないのだろうか。

より民主政であり、国民の意見を代弁させるためならば、議員定数は増やすべきである。
選挙のハードルが下がれば、より多様で大衆に近い人間が代議士となりやすく、選挙への比重が下がることでアピール目的の行動が減りやすく、選挙不正や過剰な資金集めも減らせることになると私は考えている。
権力は少なくするからこそ、それを求めるために無理をするのであるから。

3.議員定数と意見代弁者の関係
議員は有権者の意見代弁者としての働きが求められる。
しかし議員は一人であり、一個の人間が選んだ人全ての意見を代弁することは出来ないのも当然である。
議員定数を減らせば議会は、より少数の代弁者としかなりえないのは理屈ではないか。

逆に議員定数を増やせば、より多くの意見を代弁する存在となる。
無論より多くの意見を代弁する、より議員を増やすのが良いと言うならば、直接民主制として全員で政治を行えば良いという話になる。
それは無理であるのだから、適数があるのは間違いない。
しかし議員定数を減らせば議会はより少数の意見を代弁するものとなる。
今現在、国会議員が国民の意見を無視していると批判があるのにもかかわらず議員定数を減らすのは事態を悪化させるだけではないかと私は考える。

4.議会の人材備蓄機能
日本の内閣総理大臣は国会議員の中より選ばれる。
また各大臣のうち過半数は国会議員で構成しなくてはならない。
内閣の大半が国会議員であるのだから、国会議員には常に優秀な人材が存在していなくてはならない。
しかし議員の数を減らした場合、優秀な人材の総数が減ることになる。

国会議員の全てが優秀であるならば、そもそも問題はないのではあるが、現実的にそれは不可能である。
パレートの法則ではないが、常にばらつきは存在し、優秀な存在は常に全体の一部なのだ。
優秀な人材を増やしたければ、単純に全体の数を増やすのが良い。
政治を任せられる人材がいないと嘆かれる昨今、人材を減らすことは求めることと間逆ではないかと私には感じられる。

また議会と言うのは人材の教育機関とも言える。
議員は選挙のみで選ばれる存在であり、そこに選抜試験などは存在しない。
それはどんな人間だろうと国政に参加しえると言う民主主義を標榜する政体だからであるが、それ故に議員は国政の知識にばらつきが存在する。
それを議会において活動することにより、その知識や人脈が広がり有用な人材が出来上がっていく。
より多くの人材を抱えるほうが、教育の結果が悪かった時に影響が少なく、良かったときに利益が多いのである。

5.議員定数と権力掌握の影響
民主主義とは、より少数による支配を否定したからこそ存在しているのである。
議員の数がより少数であればあるほど、ただ1人だけでも掌握しやすくなる。
より人数が多くなればなるほど、1人の人が掌握することには労力が大きくなり無理が出来る。

議員定数がより多ければ多いほど、議員の考えは多様になり、また意見を統一することが難しくなる。
これは独裁政治や寡頭政治の防止機能として役立つはずである。

他にも日本の国会は衆議院の3分の2再議決が存在する。
しかし議員定数が増えれば、一つの政党が議席をより大きい比率で獲得するのは難しくなる。
また議員の数が多ければ議員の掌握に労力がかかり、造反を防ぐのも難しくなってくる。これは選挙のハードルが下がることも影響してくるだろう。
そのため1党独裁や強行採決と言ったことが難しくなってくる。

また派閥政治と言ったものも、一人の人間が掌握できる限界があるのであるから影響力が弱まると言える。
独裁制にも利点はあるが、少なくとも民主政として議員の数を増やすのは民主政にかなっても、議員の数を減らすのは民主政とは逆行すると私は考える。

6.議員定数の比較と変遷
議員定数を他国と比較した場合にどうなのであろうか。

これは分かりやすく以下のようなデータが出ている。
http://www.sasaki-kensho.jp/bt/updata/bt_20120125150309.pdf
OECD諸国(通称先進国クラブ)では国民に対する国会議員の数が34か国中32番目に多い、つまり少ないほうから3番目である。
一番少ないのはアメリカ合衆国で、これは州自治が強く、また上院が各州で2人と言う特性からくるものであると考えられる。
今現在で他国と比べて多くない。むしろ私には少なすぎると感じられる数である。

では、日本国内において議員数はどう変化してきたか。
衆議院は1947年に466人として発足し、その後微増を細かく続け1975年に511人、1983年に512人を最大とした以降は微減を続け2000年に480人となり現在に至る。
参議院は1947年に250人1972年の252人を最大とし、2004年に242人となり現在に至る。
一方日本の人口は1947年に約7000万人、議員数がほぼ最大数だった1975年に約1億人、現在は1億2000万人である。
1975年から人口は2000万人増えてるにもかかわらず、国会議員は41人減である。
さらに1947年からは人口が5000万人増えているにもかかわらず、国会議員は6人しか増えていない

これらの数を鑑みるに、
昨今の議員が国民の意見を無視しているとか、選挙アピールが過剰であるとか、政治を任せられる人材がいないであるとか、国会の居眠り問題であるとかは、国会議員の数が少なすぎるために一人当たりに求める労力が大きくなりすぎて対応し切れていないからではないかと私には感じられる。

7.まとめ
結局のところ、民主主義として代議制として議員定数を減らすのはコストを減らす以外にメリットはなく、デメリットの方が大きいのである。
そもそも、議会と言うのは民主主義国家として必ず必要なものである。
国家に必要であり、良質な方が望ましいものにかける金と人材を減らしてどんな未来があると言うのか。
それは科学技術の重要性を知らず、人材と金を減らそうとして「2位じゃだめなんですか?」とのたまった誰かしらと同列の愚昧さではないだろうか。
良くしたいなら、手間と金と人材をかけるべきなのである。

8.余談
日本維新の会が国会議員定数を半減させると宣言しているが、これは地方分権を前提とした提案であることは理解している。
つまり、地方が強くなり、国会の機能が小さくなるために国会議員の数は少なくても良いと言う発想である。
しかし、逆に地方分権すれば地方の議会は大きくなると言うか、大きくならなくてはならない。

道州制を前提に考えているようだが、強い自治権をもった8つの地方が出来ると言うことは、単純に考えれば国家規模の議会がそれぞれ必要と言うことであり、国会が8つに増えると言うことである。
日本維新の会が国会議員を減らしたとしても議員の数やコストは減らない、むしろ総数としては増えるのではないかと私は予測する。
議員定数を削減することを真に受けて日本維新の会を選ぶのを、私はお勧めしない。
スポンサーサイト
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://motiyaki.blog78.fc2.com/tb.php/46-a35e0cac
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
コメント







非公開コメント
プロフィール
 

土方

Author:土方
いつの間にか寒かった。

メール

web拍手
 
ブロとも申請フォーム
 
フリーエリア
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。